七五三において、私が一番大切に今まで撮影を心掛けていること。
それは、当時の「温度」を感じられる写真。
それは、あとで見返したときに、「このときはね、」とパパやママが子供たちにお話ができる要素が映し出されていること。この1枚が生まれるまでの過程も、大切に。いや、もはやその部分が一番のメイン。
そして、そのお話を聞いた当時小さかった子供たちが、思わず笑顔になってしまうような1枚。
そうか、そうだったのか、と思わず心があたたかくなる、1枚であること。
まるで、一通の手紙を受け取ったかのような、感覚を大切に。
「いつもの場所で、いつものあなたを」というコンセプトから活動を始めた出張撮影「Photoletter itsumo(いつも)」
そして、いま、フォトスタジオ「A.Letter PhotoStudio」として撮影を続けている私。
私の、はじまりを再度思い出させてくれた物語を今日は紹介させてください。写真は、3歳の女の子の七五三当日の風景。
大好きなお気に入りの「すみっこぐらし」のお洋服で着付けヘアメイクをするお店へ来てくれました。ご挨拶もばっちり★
来店したときの彼女はノリノリ♪途中までは、ヘアセットも動画を見ながら余裕の様子・・・でしたが。
すみっこくらしのお洋服は脱いだ瞬間から、雲行きが変わりました(笑)「すみっこがいい!!!」ということですみっこの上から着物を羽織ってもらう作戦を実行しようと試みることに・・・
すみっこの絵が見えなくなることに対して猛反対、猛反発!
「こんな仕事だなんて、聞いてない!」というアイドルのようにも見え、セットしたヘアも、リセット(笑)
必死になだめる、ママ。(売り出し中のアイドルのマネージャーのようにも見え)必死に説得する私たち大人。(もちろん、私も含まれています(笑))
「こんな感じで着物着るよ~!ママも着物着ちゃう?」と、相談。もちろん、「ママ、かわいい~」とお返事をしてくれましたが、「着てみる?」という問いかけに対しては変わらず(ですよね。)
気分転換もかねて、少しお店の外へ。
外では、登場を待ちかねていたファン(パパ&パパのお母様)に声援をもらい・・・・(どこまでも優しくそりそってくれる「藤」のスタッフ&社長さん・・・いつも、本当にありがとうございます)

ラムネを食べながら、着付けを再開するも、こんな感じ。

この写真のポイントは、零れ落ちるラムネの躍動感と、崩れ落ちる彼女とのシンクロ(笑)

和傘を差し出すも、時すでに遅し・・・

再び、すみっこ登場。彼女もすみっこへ・・・(ラムネは死守)
こうしている間に、お昼ご飯のお店の予約時間とご祈祷時間を考えるとそろそろタイムリミットが・・・。
すみっこでご祈祷?いや、私たちには・・・ファン(パパのお母様。つまり、おばあちゃま)から食事会の時にどうかしら?と
この日のために準備してくれた水色のワンピースが!!!!!!
これだけは、これだけは・・・譲れない!!!!という、大人たちの想いを合わせ、ラストスパート。ヘアメイクはママと相談し、今回は・・・見送りました!
もちろん、ギャン泣き・・・・。どうなっちゃうの!?そう、思っていましたが・・・
なんということでしょう。
ご祈祷場所の神社へ到着した瞬間に出たこの笑顔・・・。
笑顔の秘訣は・・・おじいちゃん、おばあちゃんから貰った千歳飴袋の中に入ったアンパンマンのお菓子!!!!
(これ、不二家さんの詰め合わせなのですが・・・・毎年、思います。これ、最強)
次はどんなお菓子が入ってるの?見せて~?の掛け声に対してのこの笑顔・・・。
この瞬間のために、という感動がありました。
ヘアセットも、着付けも。確かに、想像していた未来とは違う結果になってしまいましたが。ママから、納品後にもらったメール。
「写真を見ていて、ストーリーが分かる感じでとても楽しいです(^^)
私の母も笑ってしまうって言ってました!
諏訪さんが言うように、感謝とありがとうという気持ちを改めて感じていました(;;)主人はすぐに待ち受けにしていました。」
実は、3歳になったばかり(2歳だったかも)だったこともあり。
もしよかったら、山梨県のスタジオになってしまうけど、スタジオでリベンジ七五三着物撮影しましょうとご提案しました。
映えじゃなくて、モデルのように撮影する、でもなくて。
その時々でしか出会えないあなたと、あなたと過ごせた瞬間瞬間をパパママの代わりに代筆をするイメージで撮影したい。
そんなことを考え直して、A.Letterらしい七五三のお祝いの仕方、撮影、残し方を今も模索しています。やっと、自分の中で答えが生まれそうです。
気づかせてくれて、ありがとう。