あの頃は、すべてが事件だった。
ですが、一番もしかしたら感情が揺れ動いていて、「生きている」状態だったのかもしれない。
戻りたい?と聞かれたら、うん、もう、いいかな・・・って感じですが(笑)
そんな甘酸っぱい学生時代を思い出させてくれつつ、ああ、やっぱり好きだなと再確認した映画。
私の好きな映画 「花とアリス」
私には、色々な好きがあるという事も今回の課題を通して知りました。
一つは、好きで好きで、今すぐに自分の物にしたいという欲が自然と生まれてくる好き。
もう一つは、好きだけど、見ているだけで幸せな気持ちになれる好き。
なんだか、もっとカテゴライズしたら出てきそうですが今回の「自分の好きな映画のワンシーンを選んでくる」というお題で選んだ映画は、どちらかというと前者。
見たときに、いいなって。私もこんな世界観で世界を見てみたいなと。表現出来たらいいなと初めて感動した映画。
それが、岩井俊二監督の「花とアリス」でした。
好きな人に自分を見てもらうためなら手段は問わない花と、自分をなかなかうまく表現できないアリス。
2人の高校生の日常をただただ、淡々と。この映画を初めて見たとき、物語があまりにも淡々としすぎて寝た(笑)
あと、どうしても花ちゃんが好きになれず。気持ちや衝動が理解できず、苦悩した。
ただ、それを今、見返したら。ああ、そうだったな。というなんとも懐かしくて、切なくて。
もどかしくて。いつも見ている景色がキラキラして見えたり、なんだかモノクロに見えたり。
今こうして振り返ると「なんだ、そんな事で?」って感じてしまうような出来事も、当時の自分たちには大事件で、
世界が広く感じたり、狭くて苦しくなったり。そんな学生時代を思い出してしまったり。
この映画は、どちらかというと、いつも見ている景色をこんなにも繊細にリアルに美しく表現できるのだと。
いつも過ごしている世界は、映し方、捉え方で様々な表情があるのだなと気づかせてくれた私の無意識の中に存在し続けていたイメージ。
そして、効果的なBGM。
このBGMを聞くと、どんな場面も映画のワンシーンのように思えてくる。
ので、最近は撮影前に花とアリスのサントラを聞きながらロケハンをしている私(笑)
今日は、どんな物語を見つけ出そう?
今日は、どんな家族の映画を撮影しよう?
日常は、美しさで溢れている。
いつもある、ではなく、今しかない瞬間で溢れている。
itsumoの原点であり、私が撮影したい瞬間の原点であり、どんな場所で撮影したとしても大切にしたいフィルターかもしれません。
こうやって、時々は自身の「なぜ、今を選んでいるのか?」という問いかけに対しての「原点」を再確認する時間に密かな幸福感を感じます。あなたの好きな映画は何ですか?良かったらお話聞かせてくださいね
—–